自由研究に困ったらどうぞ2 ー1日でできるテーマ編
こんばんは、コガです。
夏休みもあと残すこと数日。
やりました?自由研究。
え?やってない?
大丈夫、頑張れば1日でできます!
去年は自由研究のきっかけ作りになればと、こんな記事を書きました。
↓↓
自由研究に困ったらどうぞ。(自由研究を始めるきっかけ作りに) - カガク De 暮らす
思いの外読んでくださる方が多かったので、
今回はより具体的に、「どんなふうにテーマを決めて、どんなふうに展開していくか」を書いてみたいと思います。
そして、今回は「1日でもできる」「家をでなくてもできる」「オリジナリティある」テーマを考えてみましたので、参考にしていただければと思います。
1日で自由研究しちゃう極意
「分類と統計とグラフ化」
あぁ難しそう!と思われるかもしれませんが、難しいことはありません。
テーマは家にあるものだったらなんでもOK。
◆家にある服の素材
◆食材と調味料の種類
◆壁紙や家具の色
取りあえず目についたものでOKです。
理科にこだわらなくてもいいのです。
ここでは、「家にある服の素材」をテーマにして解説していきます。
自由研究の進め方の大まかな流れは、、
①まず、分類します。
下着類、シャツ、アウター、冬物、親のもの、自分のもの、など
②次に統計をとります。
お洋服についているタグを見て、ポリエステルが何パーセント、綿が何パーセント、シルクが何パーセント、毛が何パーセント、などなどのデータを集めていきます。
家にあるすべての衣類のデータを集めてもいいですが、下着類・ティーシャツ・冬ものアウター等、各分類のものそれぞれ5枚を無作為(ランダム)に選択するってのもありだと思います。
③そして、グラフ化します。
下着類…合計(または平均)すると綿が○%、ポリエステルが○%
アウター…毛が○%、ナイロンが○%
など。
この場合は円グラフにまとめると良さそうですね。
④最後に考察します。
内に着るもの(インナーやシャツ)はどういう素材が多く、冬物のアウターにはどういう素材がおおいか。それはなぜか。汗を吸うとか、肌触りとか、保温、保湿とかの観点から考えてまとめてみるといいと思います。
これでおしまい。
家を一歩も出ずに済みます。
もっと踏み込むなら、図書館で布の性質を学べる本を探すとか、洋服屋さんに直接インタビューしてみるとかもいいですね。
以下に、各ステップをもうちょっと詳しく説明します。
分類のコツ
どのように分類するかが一番のポイントです。
下着といっても親のステテコもあれば自分のパンツもあります。夏用の下着もあれば、冬用のもこもこした下着もあります。これを分けるか否か。
下着の中でも、パンツ・タンクトップ・親の・自分の・トランクス・ブリーフを全部分けると、とてつもない分類の数になってしまいます。すると、統計が取れなかったりまとめるのが面倒だったり、研究発表を聴く人が混乱したりします。
「分類」はセンスと経験が求められるかもしれません。そしてこれが、研究の質を左右します。もちろん、自由研究はお勉強の一環。完璧でなくてもいいので、自分で考えてやってみることが大切です。
以下に私が考えた分類例を書いておきます。
統計のコツ
分類ができてしまえば、あとは分類にしたがって情報(タグに書いてある綿とかナイロンとかの数値)を集めればOKです。表を作って、メモしていくといいでしょう。
上にもかきましたが、どれくらいの量の情報を集めるかは自分で決めます。家にある服全部にするか、各分類5着くらいにするか。でも少なすぎると、統計になりませんので注意が必要です。
各分類で何枚調べたか、という情報もちゃんと記録しておきましょう。3着の平均より、10着の平均のほうが信頼性は高いです。
研究結果を見る人は、何着調べて得られた結果か?この結果はどれくらい信頼性があるのか?を知りたがるはずです。
グラフ化のコツ
グラフは見せ方がポイントです。
1回、メモ用紙にざっくりとグラフを作って、眺めてみましょう。なにか分かることがあると思います。この分類は綿が多いなぁとか、こっちの分類は色んな素材が混ざってるなぁ、とか。
そうしたら、その事実をわかりやすく伝えられるように、統計データのなかから必要なものを選択してグラフを作ります。
どのデータを選択するか。これもセンスです。
例えば親の服と自分の服を比較するなら、親の服の全分類の平均と、自分の服の全分類の平均を持ってきて、並べてグラフにします。
すると、そこに、自分がこの研究をして気づいたこと(得られた研究結果)が現れてきます。
グラフというのは、勝手にできるものではなくて、「自分の考えを伝えるために意図的につくるもの」なのです。
あ、もちろん、データ自体を変えてはいけませんよ!あくまでも、データの使い方の問題です。
いざグラフを作ろうとしても、グラフには棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ…など、色々あって、どれにしたらいいか悩んでしまいますよね。
実は研究者さんも悩むことが結構あります。あれこれ試してみて、一番見やすく、伝わりやすいものを選ぶといいと思います。
グラフの作り方、見せ方については、いつか特集記事にしたいなと思います。すごく奥が深くて、面白いんです!
「間違ってはいないけど、すごく作り手の意図が強くて、気をつけて見ないと騙される!」というグラフもよく見かけます。
考察のコツ
グラフ化する時点で、すでに何かに注目してデータを選んでいますよね。例えば冬服と夏服の違い。冬服のほうが暖かく感じる素材が多くなるだろうな、と予想して、グラフ化しているはずです。
考察では、そのことを素直に書けばいいのです。「冬服でこの素材が多く使われている。これはこの素材が保温性が高いからだろう。」
中には意外だったことや知らなかったこともあるかもしれません。その時は、それはなぜだかを考えて書いてみましょう。
「自分の服より親の服にはシルクが多かった。シルクはつややかで綺麗だから、ドレスやスーツなど、大人の服に多いのかもしれない」
わからないことは大人にインタビューしてもいいと思います。
「母に聞いてみたところ、シルクは傷つきやすいため、着るときには気を使うらしい。普段から動き回る子供の服には向いていないから、自分の服にはすくなかったのかもしれない」
さらに、この研究結果がどのようなことに活かせるかを考えてみましょう。
ちなみに、本やネットで調べれば、それぞれの繊維の構造とか性質も知ることができます。それも併記すればよりパワーアップしますね。無くても十分だと思います。
自由研究を始める前に・・・
プロの科学者さんは、
テーマを決める時に、すでに、
「こんなふうにに研究をすすめたら、どんな結果が得られてどんな考察ができて、次にどんな研究に繋げられるか」の一通りのながれ全部をだいたいシミュレーションしています。
「とりあえずやってみる」ではないのです。
研究を始める前に、終わりまでをちゃんとイメージしておけば、途中でわけがわからなくなったり、データが中途半端で足りなかったり、結論が出なかったりすることがありません。
自由研究も、頭の中で(もしくはメモ帳のうえで)ちゃんと自由研究を終わらせてから、実際に取りかかるようにしましょう。
それさえできていれば、あとは手を動かすだけ。一日でできますよ。
最後に・・・
夏休みになると、自由研究に、といって色々なところで理科実験教室や体験学習、調べもの学習が開催されます。このような、オトナが用意した機会を利用して学習するのも素晴らしいことですが、私個人的には、簡単な題材でいいので「ゼロから自分で考えて作り上げていく」ということの面白さ、難しさを経験して、頭を思いっきり動かしてほしいなと願っています。
子供ならではの視点・発想で、オトナのドギモを抜くような自由研究を期待しています!

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