カガク De 暮らす

元研究者のゆるーいブログです。職業病により、家庭でもカガクしています。

自由研究に困ったらどうぞ。(自由研究を始めるきっかけ作りに)

 

 

こんにちは、コガです。


ああ、外からセミの声が聴こえる。世間は夏休みですね。

夏休みといえば、自由研究の季節です。

鬱ですね。

自由にテーマを考えて研究しろ、と。なんて酷なことでしょう。研究者でさえ上司や教授にある程度研究テーマを決められて研究するのに。

私も小学校~中学校時代は夏休みになると頭を抱えていました。幸い、自由研究と図画工作のどちらかを選択すればよかったので、いつも図画工作に逃げていました。(こんな私が研究を仕事にするようになろうとは!)

 

ということで、今回は自由研究に困っている全国の子供たちと、その子供たちに相談を持ちかけられて困っている大人たちのために、役に立つかどうかわからない「自由研究の取り組み方」のようなものを伝授したいと思います。

自由研究のテーマとなりそうな内容を解説するわけではありませんのでご了承ください。自由研究の内容例をお求めの方は、こういった書籍を参考にすると良いと思います。↓↓

 

自由研究図鑑―身近なふしぎを探検しよう (Do!図鑑シリーズ)

自由研究図鑑―身近なふしぎを探検しよう (Do!図鑑シリーズ)

 

 

 

自由研究の内容選び

 

自由研究の種類を私なりに3つにまとめてみました。

 パターン1 すでに知られていることを調べ、まとめる

 パターン2 すでに知られていることに関して実験をし、確認をする

 パターン3 実験をして、新しい発見をする

上記は難易度順に並べました。以下で一つ一つ解説していきます。

 

パターン1 すでに知られていることを調べ、まとめる

これは簡単ですね。書籍一冊~数冊あれば一日でできます。博物館や、子供向けの体験教室などでの経験をまとめるのもいいですね。インターネットの利用もいいですが、誤った情報もありますので注意が必要です。

大人としては、すでによく知られていることをまとめるだけでつまらない、と思うかもしれませんが、子供にとって未知のことに興味をもって調べてまとめるということは立派な「研究」です。ただ、このタイプの自由研究にもうひと手間を加えるとぐっとオリジナリティーが増して、味わい深いものになります。

そのひと手間というのは、身近な大人の経験談とか統計データ等々です。

 

たとえば・・・

 ・(今の私に身近な話題ですが、)赤ちゃんの誕生やお産の流れを、本で調べてまとめる + 親や祖母の体験談を聞き、比較してみる。

・自分の街の地図を、50年前のものと比較してみる(市立図書館とかに地図があったりします) + 自分の街に長く住んでいる人のお話をプラスしてみる

・動物がすきなので、動物園に行って、そこにいる動物の情報をまとめる + 動物園の動物で系統樹をつくってみて、どの動物とどの動物が近い種類かわかるようにしてみる。

・車がすきなので、車について調べ、まとめる + 自分の家から見える道路を通る車の色と車種の統計をとって傾向をみる。

・身近な「天気」についてしらべ、まとめる + 過去10年の自分の誕生日の天気と気温を並べて、傾向をみる。

 

こんなかんじ。いかがでしょう?

 

パターン2 すでに知られていることに関して実験をし、確認する。

  すでに知られていることをよく勉強し、理解したうえで、さらに実験が入ってくるので、難易度がぐっと増します。実験といっても、理科に限ったことではありません。「複数のイラストをいろんな世代に見てもらい、好感がもてるものを選んでもらったところ、世代によってこんな傾向が得られた」なんていうのも、ひとつの実験です。

少し例をあげてみます。

 

・いろんな食材・調味料のpH(酸性かアルカリ性か)を調べてみる

・お酢を重曹水で中和して、お酢中の酢酸の濃度を求めてみる

・家の部屋でエアコンをつけた場合と、エアコン+扇風機をつけた場合の空気の流れを、線香をつかってみてみる。

・雨が降った時(夕立など)、庭に容器を置いて何ミリの雨が降ったかを5分おきに調べてみる。そのときの雨量レーダー画像と比較してみる

ちなみに、pH試験紙とかメスシリンダーとか、実験に使えそうなやつはamazonさんにけっこうあるんです。

 

  

メスシリンダー 100mL M0100

メスシリンダー 100mL M0100

 

 

 

 

いかがでしょう?

 

パターン3 実験をして、新しい発見をする

 

これは難易度MAXです。常識に凝り固まってしまって発想力に乏しい私には、「たとえばこんなものが・・・」って例示することもできないくらいです。

「視力がほとんどないと言われている生き物(ペットのお魚だったかな?)に、餌を色々な方法で与えると、ちゃんと餌を識別しているようだ→本当は視力があるのではないか?」というような発見をした自由研究があったと聞いたことがあります。

身近なところにあるものをよく観察していると、教科書で習ったことや大人が言うことと違うこととか、だれも知らない(気にも留めない)不思議な現象とかが転がっているものです。それに気付くことが重要です。

そして、研究の一番難しいところは、仮説を立てて、それを証明する実験を組み立てること。自分の仮説が正しいと証明するには、誰もが納得するように実験を組み立てなければいけません。そのためには、自分だけで考えるのではなく、「こういうことに気付いたから、こういう実験を組み立ててみたんだけど、どうかな」と家族やお友達、先生に相談してみるといいと思います。

 

研究したことのまとめかた(レポートの書き方)

 

自由研究の書き方は学校で教わるかもしれませんが、もし教わってない人がいたら、以下のようにまとめるといいでしょう。常に「他人が読むもの」という意識をもって書くと良いでしょう。

 

全体の構成こんなかんじになります。

 

 タイトル、名前

  ↓

 研究の動機、背景、目的

  ↓

 内容(実験があれば、方法→結果)

  ↓

 考察

  ↓

 参考資料、謝辞

 

タイトル、名前

タイトルは最後に考えればOK。内容を端的に示す文にします。

名前は、●●小学校何年何組、●●太郎 のように書きます。

タイトルの前に、平成●年度 自由研究 と入れておきましょう。

 

研究の動機・背景・目的

このテーマに決めたきっかけは何か(動機)、このテーマについて、すでに知られていることはどんなことか(背景)、今回の自由研究でどのようなことを明らかにしたいか(目的)を書きます。

 

内容

パターン1(調べてまとめる)であれば、調べた内容をうまくまとめます。パターン2、3であれば、方法→結果の順でかきます。実験が複数のときは、「実験1、●●の実験」と小見出しをつけて方法→結果を書き、実験2、実験3…も同じように書きます。

基本的に、自分の考えは入れず、事実を述べます。自分の考えは「考察」にとっておきましょう。

 

考察

感想とは違います!(←これ、気をつけて)

実験の結果や調べてまとめた内容をうけて、考えたことを書きます。

「こういう結果が出た。その理由は●●と考えられる」とか、「今回の実験には●●の影響を考慮していないので、より正確にするにはこれを考慮する必要がある」とか、「このようなことは、●●にも利用できる(活かせる)と考えられる」等でしょうか。

考察を書くのはとても難しいことです。考察が良ければ全て良し。実験がおそまつでも、ちゃんとした考えを持っていれば、見る人を納得させることができる、ということもあります。小中学校にはちょっと難しいかもしれませんが、これを機にトレーニングしてみるのもいいかもしれませんね。

 

参考資料、謝辞など

研究に使用した本の情報(タイトル、著者、出版社など)や、インターネットのサイトの情報(URL、運営会社や著者、閲覧した日付など)を箇条書きで書きます。

また、誰かに何か聞いた内容を使用した場合や、手伝ってもらったりアドバイスをもらった場合は、謝辞として名前を載せましょう。

 

なお、経験談など、人に何かを聞いた場合は、それを自由研究に使っていいか確認して了承を得ましょう。特にお世話になった人には、後日、お礼と一緒に完成した自由研究を見てもらうといいでしょう。

 

 

最後に、、、

今回の内容、全然子供向けではなくてずいぶん堅苦しいものになってしまいましたが、参考になりましたでしょうか?

自由研究というのは、どんなささいでつまらないことでも、なんのまとまりもないことでも、先生にいい評価されようとしなくても、いいのです。大人の常識や秩序を得る前の、子供なりの自由な発想をみてみたい、と私は思います。

子供たちには「面倒くさい」とか「良い成果をだして格好つけたい」と思わず、純粋に「好きなことを探究すること」の楽しさを感じてもらえたらと願っています。それは、一度ハマったら、きっとゲームなんて投げ出してしまうほど面白くてわくわくするようなものですよ。

 

次:自由研究に困ったらどうぞ2 ー1日でできるテーマ編 - カガク De 暮らす