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カガク De 暮らす

元研究者のゆるーいブログです。職業病により、家庭でもカガクしています。

一時的に嗅覚障害になった話。

 


こんにちは、コガです。

 

このたび、鼻風邪が悪化して1週間ほど嗅覚がゼロの世界を経験しました。もともとアレルギー性鼻炎ハウスダストとか花粉症とか)を持っているので、鼻が詰まって呼吸ができずに匂いがかげないということはよくあるのですが、今回は「鼻が通っているのに匂いがわからない」という症状でした。

いつも当然のようにある「匂い」がなくなると、世界がガラッと変わってしまったような感じがしてギョッとしました。なんというか、白黒の世界に入ってしまったような、ものすごく無機質な世界に入ってしまったような、そんな感じ。

 

一番困ったのは「食べ物の味がわからない」ということです。

 

嗅覚がゼロになって一番思ったことは、「食べ物の味って8割方鼻で味わっているんじゃないか」ということ。味覚障害というものはよく知られていて、「ちょっと味が薄いかな」とか「自分が作った料理が他人に濃いといわれる」なんて経験がある方は味覚障害を疑ったほうが良いと言われています。でも嗅覚がゼロの世界はかなりドラスティック。「甘いとか酸っぱいとか、舌に刺激はあるんだけど、何を食べているか全くわからない」という状態でした。味覚障害だと思って受診すると実は嗅覚障害だったというケースもあるそうです。

 

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「味」には舌で感じる「味覚」と、その他見た目や匂い、食感、温度等で感じる「風味」があるとされています。「味覚」というのは実はたったの5種類。

塩味 酸味 甘味 苦味 うま味

です。

舌にある味覚受容体に特定の化学物質が触れることで、この5種類の刺激のいずれかとなって味を感じます。

一方鼻では、舌と同じように鼻腔内の嗅覚受容体に化学物質が触れることで匂いを感じますが、その数はヒトでは347種類あるといわれているそうです。wikipedia「嗅覚」より)

食べ物ともなると、ある食材にしょうゆをかけたりコショウを効かせたりと香りの組み合わせ。匂いのハーモニーはものすごい種類になることでしょう。

ということで、味=味覚 だけではなく、嗅覚の貢献というものを痛感したのでした。

 

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嗅覚がゼロになって味覚が研ぎ澄まされたので、せっかくなのでいろいろな調味料をなめてみました。

① 塩 → 唾液を分泌するタイプの刺激(ぐっとくる)
② 酢 → 唾液を分泌するタイプの刺激(舌先に強く)
アミノ酸調味料 → 唾液を分泌するタイプのマイルドな刺激が口腔内全体に広がる
④ 砂糖 → 普段味わっているような甘み
⑤ 生姜 → 口腔内に広がるピリピリした刺激(これは味覚ではなく触覚の部類みたいです)
⑥ ラー油 → 無味のあと、口腔内に広がるピリピリした刺激(これも味覚ではない)
⑦ 醤油(うまくち) → アミノ酸調味料に似た刺激
ほんだし顆粒 → アミノ酸調味料+塩のようなかんじ
⑨ マヨネーズ → 酢をマイルドにしたようなかんじ
ケチャップ → 酢+アミノ酸調味料に似た感じ
⑪ 料理酒 → 無味

 

嗅覚がなくなってもいちばん普段と変わらなかったのは砂糖、かな?糖分は生命活動の基本ですからね。一番普段と違ったのは、酢。(さすが、揮発成分!)

 

刺激の質が似ていたのは、塩(塩味)と酢(酸味)とアミノ酸調味料(旨味)。刺激する部位や強さは違いますが、感じ方はなんとなく似ていました。


減塩しようと思ったら、酸味や旨味を強くするといい、といいますが、なるほど納得です。

 

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原因ははっきりしませんでしたが、発症から1週間程で嗅覚は元に戻りました。緑っぱなが出ていたので副鼻腔炎によるものだと想像しています。

 

やっぱり、おいしいものをおいしく食べられるっていいものですね。

 

 

料理の科学〈1〉素朴な疑問に答えます

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